【エッセイ】新約聖書を知っていますか(阿刀田高)
オススメ度:★★★★★★★☆☆☆(7/10)
阿刀田高のエッセイ。
宗教に馴染みの薄い日本人に向けた新約聖書の基礎の基礎を伝える本。
【ポイント】
→ユダヤ教の旧約聖書を元に作られた聖典。旧約聖書と新約聖書はコーラン(イスラム教の聖典)の元になっている
・新約聖書に描かれた出来事の概要を時系列に沿って紹介
・奇蹟や復活を信じれない日本人に向けた文章。読んでいて違和感を感じるところに説明を入れてくれるので非常に納得感がある。
・著者の旅先でのエピソードもあり、観光や芸術と聖書の結びつきも感じれる。
・キリストは例え話が大好き。細かい解釈は信者達に委ね、ひたすら神の存在と信心を貫いた。
・新約聖書の構造は4つに分かれられる
→①福音書
②歴史的記録(使徒言行録
③手紙(使徒たちの檄文)
④文学(黙示録)
海外の芸術に対峙する時に必要な最低限度の新約聖書の知識が得れます。
絵画「最後の晩餐」やミケランジェロの彫刻「ピエタ」なども新約聖書のこのシーンなのだなとこの歳にしてようやく知ることが出来ました。
【印象に残ったフレーズ】
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神がいかなるものかなど人間にはわかることではないし、こざかしい疑問を抱くより、ただひたすらに信じるほうが肝要である。
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欧米の宗教観には根底にこのような考え方があるのだろうなと思いました。
日本人には馴染みにくいですが、理屈は良く分かります。
教養として読んでおいて損はない一冊です🙋🏻♀️